AIの「ハルシネーション」を実例で理解する——makoの自宅ネット奮闘記
公開日:2025-10-13|カテゴリ:AI活用術
そもそも「ハルシネーション」とは?
ハルシネーションとは、生成AIが自信満々に間違った情報を作り出す現象のことです。
AIは「次に来そうな言葉」を統計的に選ぶ仕組みで、文章を“理解”しているわけではありません。
つまり、もっともらしくてもウソということが起こり得ます。
私が体験した“自宅Wi-Fi幻覚”の話
ある日、自宅のルーター(TP-Link)でVPN接続を試していたときのこと。
「外出先から自宅NASにアクセスする設定をAIに聞こう」と思い立ち、
ChatGPTに設定方法を質問しました。すると、AIは非常に詳しく手順を説明してくれたんです。
「管理画面の“VPN設定”タブを開き、“L2TP”を選択して…”」
と、まるで実際にその画面を見ているかのようなリアルさ。しかし、実際にその項目を探しても、どこにも存在しません。
調べた結果、そのルーターにはL2TPサーバ機能自体がなかったのです。
教訓:AIの説明が流暢でも、それが正しいとは限らない。
なぜAIは幻覚を見るのか?
理由は単純で、AIは「事実」ではなく「確率」で動いているからです。
未学習の情報があった場合、AIは過去の似たデータを参考に“ありそうな答え”を補ってしまいます。
これが「幻覚」の正体。特に家庭のネットワーク機器など、モデルごとに仕様が違うものでは起きやすい現象です。
よくあるパターンと対策
| パターン | 例 | 対策 |
|---|---|---|
| 知識の空白を補完 | 未学習の新機能を「ありそう」で埋める | メーカー公式ページで裏取り |
| モデル違い | Archer AX50とAX3000を混同 | 型番を明記して質問 |
| 翻訳誤解 | 英語UIの「Enable VPN」を誤解 | UI表記そのままで質問 |
| 出典不足 | URLなしで設定値を断定 | 「出典URLも提示して」と追加 |
“幻覚”を防ぐプロンプトの工夫
【前提】TP-Link Archer AX3000/日本語UI/最新ファーム 【目的】外出先から自宅NASへVPN接続(L2TP) 【条件】追加アプリなし、標準機能のみ 質問:手順を番号付きで。UI表記は実際の日本語そのまま。各手順の直後に公式URLを添付。
自宅検証でのチェックリスト
- ルーターの型番とファームバージョンを確認
- AI回答に公式URLが含まれているか
- 画面のメニュー名を実機UIと照合
- 設定を試す前に、手動バックアップを取得
まとめ:AIは頼れるが、監督が必要
AIは確かに便利ですが、万能ではありません。自宅のネットワーク設定のように、モデルごとに違う分野では特に注意が必要です。
私は「疑いながら使う」「一次情報で確認する」を徹底してから、失敗が激減しました。AIの“もっともらしさ”に惑わされず、自分で確かめる姿勢が何よりの安全策です。

